Tay Keith(プロデューサー Pick up)

     

今回の記事について

この記事では、Travis ScottのSICKO MODEや6IX9INEのSTOOPIDなど、数々のヒット曲をプロデュースしているTay Keithについて、

彼の生い立ちから、プロデュースしたヒット曲の制作秘話などを中心に紹介しています。

      

Tay Keith – 生い立ち

Tay Keith(本名:Brytavious Lakeith Chambers)は、1996年9月20日生まれ、テネシー州サウス・メンフィス出身、

現在24歳の音楽プロデューサーだ。

      

今回は彼の生い立ちから紹介していく。

2人の兄と2人の姉と共に、音楽好きの両親のもとに生まれたKeithは、Hiphopが好きな両親の影響で、

同じ地元出身のアーティストである、Yo GottiThree 6 Mafiaを聴いて育ったという。

    

Three 6 Mafia – Stay Fly

      

Yo Gotti – Put a Date On It ft. Lil Baby

      

そんな彼が最初に音楽に触れたのは、13歳の時、ロックバンドのボーカルとして活動し始めた時だった。

当時はバンドで曲を作ってはYoutubeDatPiffにアップロードしていたという。

そこから、ラップに興味を持ち始め、SoundClickでBeatを購入して活動していたのだが、

Beatを買うよりも自分で作った方が良いと考え、FL StudioMixcraftを使ってBeat制作を開始する。

   

その時はまだ趣味の範囲でBeatを作っていたKeithだったが、

好きな曲のBeatをサンプリングしたり、好きなアーティストのType Beatを作りながら、自分が好きなサウンドを見つけていったという。

この努力によって、YoutubeにアップロードしていたBeatが徐々に売れるようになり、本格的に制作を始めていった。

当時の収入は、Youtubeだけで数百ドル稼いでいたと語っている。

    

彼がBeat制作を始めてから1年後の14歳の時、父と引っ越した先のメンフィスの北にあるローリーという街で、BlocBoy JBと出会う事になる。

今では数々のヒット曲を生み出している二人だが、音楽制作をするずっと前からの友人だったのだ。

そんな二人は、家が近かったこともあり、家のガレージを改造したスタジオで、地元の友人達とよくレコーディングしていたという。

自宅スタジオでKeithがBeatを作っている間、BlocBoy JBはそのBeatに合わせてひたすらフリースタイルでラップしていた、とインタビューで語っている。

     

Tay Keith – メジャーデビュー

プロデューサーとして、着々と技術を磨いていたTay Keithは、2015年、

Yo Gottiが設立したレーベル「CMG」と契約したばかりだったBlac Youngstaのシングル、「Whole Life」のプロデュースを担当する。

      

Blac Youngsta – Whole Life

     

Keithはこの時の出来事について、

「Blacは業界の中で最初に僕を認めてくれて、チャンスを与えてくれたアーティストだから、とても感謝しているよ。」

と語っている。

    

このリリースによって地元メンフィスでの知名度を獲得したTay Keithは、Blac Youngsta , Moneybagg Yo , BlocBoy JBを中心にBeatを提供していき、

これらのプロデュースによって、自分のサウンドを確立していったという。

    

そんな彼のメジャーデビューは2017年、友人のBlocBoy JBのシングル「Shoot」をプロデュースした時だ。

    

BlocBoy JB – Shoot

     

この曲はYoutubeで約3500万回以上再生されており、US Billboard Hot 100では18位にランクインするほどのヒットとなった。

さらに、彼の特徴的なプロデューサータグ「Tay Keith , fuck these n*ggas up!」の効果によって、

彼の存在はリスナーにも認知されるようになっていった。

    

Tay keith – プロデューサータグ

     

「Shoot」によって、一躍有名プロデューサーとなったTay Keithは、

2018年にはTravis Scott「Sicko Mode」Drake「Nonstop」のプロデュースを担当し、BillBoard Hot 100では、「Sicko Mode」が1位、

「Nonstop」が2位にランクインする事態となり、この年で世界一売れたプロデューサーとなった。

     

Travis Scott – SICKO MODE

      

Drake – Nonstop

     

余談になるのだが、この当時彼は大学で学士号を取得するために勉強しながらこれらのヒット曲を生み出しているから、驚きだ。

    

Tay Keith – 制作秘話

Tay Keithがプロデュースを担当したなかでも、代表的な曲としてDrakeの「Look Alive」が挙げられる。

    

BlocBoy JB & Drake – Look Alive

    

この曲はBillborad Hot 100で10位にランクインし、Youtubeでは3,4億回再生されており、メガヒットとなった。

Kiethは、この曲の制作秘話について語っていたので、紹介していく。

    

「Shoot」のヒットにより知名度を上げていたKeithに、ある日突然DrakeからInstagramのDMで、KeithとBlocBoy JBの活動を応援していて、

良かったらコラボしたいからBeatを送ってくれ、とメッセージが来た。

そこで、Beatパックを送ったところ「Look Alive」のBeatが採用され、わずか24時間でDrakeのバースが送られてきたという。

そこから、BlocBoy JBのバースも完成し、最終的に僅か1週間でMVの公開も含めてリリースされたのだ。

この制作スピードの速さでメガヒットを生み出していることから、Drakeのアーティストとしての才能がうかがえる。

因みに、この「Look Alive」のBeatはわずか1時間で制作したと語っている。

   

また、先ほど紹介したDrakeの「Nonstop」の制作についても語っていて、

この曲が含まれているアルバム『Scorpion』は、Drakeの父親の故郷であり、自分のルーツでもあるメンフィスを題材に制作されていた。

「Look Alive」のプロデュースの後でも、Drakeに定期的にBeatパックを送っていたところ、「Nonstop」のBeatがこのアルバムに採用されたのだ。

当時メンフィスのサウンドを探していたDrakeは、Metro BoominPi’erre Bourneに制作を依頼していたのだが、

メンフィスで育ち、メンフィスのサウンドをスタイルとしたKeithのBeatを聴いて、彼のBeatが採用されたという。

   

Metro Boominの記事はこちらから

      

Pi’erre Bourneの記事はこちらから

      

続いて、beyonceの楽曲「Before I Let Go」のプロデュースを担当した際の話を紹介する。

     

Beyonce – Before I Let Go

    

ここまで紹介してきたKeithのスタイルとは違うこのbeatは、丸一日かけて制作されたという。

Frankie Beverly And Mazeの「Before I Let Go」をカバーして作られたこの楽曲だが、実はその他にも2つの曲がサンプリングされているのだ。

    

Frankie Beverly And Maze – Before I Let Go

     

まず最初に、原曲の「Before I Let Go」をサンプリングしたKeithは、何か足りないと感じ、

Dr.Jubilee「Get It Ready , New Orleans bounce」をサンプルして追加したところ、アップテンポなBeatになった為、

もう1つバウンスを加えたいと考えて、Camelo「Candy」のBassをサンプルして、Beatが完成したと語っている。

それぞれ違う3曲を、完璧なバランスで落とし込んだKeithのセンスによって、彼の才能はTrapだけではない事を示した1曲となった。

実際に、この曲のプロデュースを担当した後、Hiphop以外のジャンルのアーティスト達からの依頼も増えたそうだ。

       

Dr.Jubilee – Get It Ready , New Orleans bounce

       

Camelo – Candy

     

Tay Keith – 音楽業界について

Tay Keithは、今のHIPHOP業界について、多くのプロデューサー達はビジネスを知らない、と語っている。

この浮き沈みの激しい業界の仲間入りをして、

自分のサウンドを維持しながらビジネス面にも集中しているプロデューサーが、より長く生き残っていることを学んだという。

    

さらに、音楽業界については、

「この業界は90%がビジネスで、10%が音楽なんだ。」

「音楽で稼いだお金だけでは、永遠に続かないことを知っていたから、金が入ってくる時期にビジネスに対して無知であってはいけないんだ。」

と音楽業界の厳しさについて語っている。

    

また、若手プロデューサーへのアドバイスとして、

「もし俺のように短いキャリアでヒット曲を作っても、目先の契約金目当てで焦ってはいけない。」

「ヒット曲を作ったら、必ず出版社の方から声がかかるから、それまで待って、自分にとって有利な契約を結ぶことが大切だ。」

と教えてくれている。

     

彼は、大学でロイヤリティーや著作権について学んでいた為、ビジネスについて学ぶことの重要性を理解しているのだろう。

       

Tay Keith – プロデュース代表曲

ここまで、Tay Keithの生い立ちから制作秘話などを紹介してきたが、最後に紹介しきれなかったプロデュース曲をいくつか紹介する。

この記事を読んでTay Keithに興味を持った方は、是非彼のSNSなども覗いてみて欲しい。

     

Moneybagg Yo – Wat U On ft. Gunna

       

6IX9INE – STOOPID FT. BOBBY SHMURDA

      

Lil Baby – Never Recover ft. Drake , Gunna

          

Lil Yatchy – Who Want The Smoke ft. Cardi B & OFFSET

     

BlocBoy JB – Rover 2.0 ft. 21 Savage

      

Lil Nas X – HOLIDAY

      

Metro Boomin – Don’t Come Out The House with 21 Savage

      

Polo G , Stunna 4 Vegas & NLE Choppa ft.Mike Will Made-It – Go Stupid

      


     

・参考インタビュー記事

REVOLT

https://www.revolt.tv/2019/7/2/20825400/studio-sessions-i-tay-keith-talks-making-before-i-let-go-for-beyonce-and-explains-how-travis-scott-e

           

FADER

https://www.revolt.tv/2019/7/2/20825400/studio-sessions-i-tay-keith-talks-making-before-i-let-go-for-beyonce-and-explains-how-travis-scott-e

      

SNIFFERS

https://sniffers.co.nz/article/31614-2

       

・Tay Keith Instagram

https://www.instagram.com/taykeith/

     

      

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