今回の記事について
この記事では、Lil BabyやYoung Thug、日本ではBAD HOPなどにBeatを提供しているWheezyについて、生い立ちや制作秘話を中心に紹介していきます。
記事の最後にお勧めのプロデュース曲もまとめて紹介しているので、是非最後までご覧ください。
Wheezy – 生い立ち
Wheezy(本名:Wesley Tyler Glass)は、アメリカミシシッピ州出身、1992年10月26日生まれ、
現在28歳の音楽プロデューサー/Beatmakerだ。
最初に、Wheezyがどのようにしてプロデューサーを目指すようになったのか紹介していく。
音楽に全く興味のなかった両親の元で育ったWheezyだったが、
幼少期からHIPHOPに興味があり、Young JeezyやGucci Maneなどのアーティストを聴いていたそうだ。
Gucci Mane – I Get The Bag ft. migos
Young Jeezy – Put On ft. Kanye West
そんな彼が最初にBeatを作り始めたのは、2005年、14歳の時だ。
兄であり、ラッパーのTG Montanaの影響でBeat制作を始めたWheezyは、FL Studioの使い方なども兄から教わっていたという。
この当時の憧れのプロデューサーは、Shawty ReddとDrumma Boyだったそうだ。
Wheezy – メジャーデビュー
兄やその周りのラッパー達を中心にBeatを提供していたWheezyが、初めてメジャーアーティストにBeatを提供したのは、
2009年、高校卒業してすぐの出来事だった。
T.Iのいとこで、HiphopアーティストのShad Da Godと出会い、一緒に制作をする過程で、本格的にプロデューサーとして活動し始めたという。
この当時は、Shad Da Godとの制作をはじめ、アンダーグラウンドなストリートシーンを中心に多くのBeatを提供していたと語っている。
そんなWheezyのメジャーデビューは、2015年、Young Thugのアルバム『Barter 6』のプロデュースを担当した時だった。
Young Thug – OD
「OD」を含めて、全13曲の中の8曲をプロデュースしたこのアルバムは、US BillBorad 200で22位にランクインした。
London On Da Trackなど、凄腕のプロデューサーが参加したなかで、
当時、無名でまだ22歳だったWheezyが参加した事は、業界内でも話題となった。
・London On Da Track の紹介記事はこちらから
このアルバムの制作について、
「Thugとは、親友のPee Wee Roscoeが紹介してくれて知り合ったんだ。」
「そこから毎日スタジオに通って、アーティストとプロデューサーとしての絆を深めていったよ。」
と語っている。
「Barter 6」の制作で、業界内で知名度を獲得したWheezyは、2018年にはLil BabyとDrakeの「Yes Indeed」、
2019年にはMeek MillとDrakeの「Going Bad」などをプロデュースを担当し、世界的に有名なプロデューサーの仲間入りを果たした。
Drake & Lil Baby – Yes Indeed
Meek Mill – Going Bad ft. Drake
Wheezy – プロデューサータグ
Wheezyを有名にした理由として、彼のプロデューサータグが挙げられる。
この「Wheezy Outta Here!」のプロデューサータグについて、面白い逸話をインタビューで語っていたので、紹介する。
Wheezyが、Young ThugやFutureと一緒に、制作するために作業していたスタジオで起こった出来事で、
その時、他の人達はもう寝ていて、起きているのがWheezyとFutureだけだった。
そこで、WheezyがBeatを流したところ、急にFutureが「Wheezy Out Here!」と叫びながらラップしはじめたという。
これを聞いたWheezyは、Futureがいなくなった後エンジニアにその部分だけ送ってもらい、このプロデューサータグが誕生したそうだ。
Wheezy – プロデューサータグ
また、他にもこのプロデューサータグについて面白い逸話が残っていて、
Lil Wayneが最初にこのタグを聞いた時、Wheezyの部分を自分のあだ名だと勘違いして、
Futureが自分のことをシャウトアウトしていると思っていたそうだ。
そこで、Futureの曲以外にもタグが使われているから、
「なんでFutureは他人の曲で俺をシャウトアウトしてるんだ?」
と疑問に思ったとインタビューで語っている。
Lil Wayneは最近のラップは殆ど聴かないらしく、プロデューサータグの文化を知らなかったそうなので、勘違いするのも納得だ。
Wheezy – 制作秘話
これまでに数々のヒット曲を生み出してきたWheezyだが、
その中でも、いくつかの曲の制作秘話についてインタビューで語っていたので、抜粋して紹介していく。
まず最初に、Gunnaのヒットアルバム『WUNNA』の19曲中、10曲をプロデュースした時の話だ。
Gunnaとは、彼のデビューアルバム『Drip or Drown』の全曲を独占でプロデュースするなどして、弟と慕っているWheezyだが、
この『WUNNA』は、完成までに2〜3ヶ月間かかり、その中の一ヶ月はジャマイカで制作されたという。
彼は、ジャマイカの土地にまさにバイブスを感じたそうで、Gunnaがレコーディングしている間は景色を楽しんでいたそうだ。
また、『WUNNA』で担当した10曲中、1番のお気に入りは「Gimmick」だと語っている。
Gunna – GIMMICK
次に、Lil BabyとYoung Thugの楽曲「We Should」の制作についてだ。
2015年に『Barter 6』の制作で、Young Thugとは関わりを持っていたWheezyは、その日もThugとスタジオに入り制作をしていたという。
その時、偶然Lil Babyもスタジオに遊びに来ていて、Thugと二人でこの曲を完成させたところ、それを聴いたLil Babyがとても気に入り、
「この曲を自分のアルバムに入れて欲しいから、俺も参加させてくれ。」
と言ったことで、この3人の制作が実現したそうだ。
この時の出来事について、
「Lil Babyのバースを完成させる速さも覚えているし、その後のやりとりも全て覚えているよ。」
「同じスタジオで2つのマイクを使って、Lil BabyとYoung Thugに挟まれて制作したから、まるで手術みたいな感じで、忘れられない夜になったよ。」
と語っている。
因みに、Young Thugと仲の良いWheezyは、今までで100以上の曲を一緒に制作していて、
まだリリースしていない曲も数多くあるそうなので、今後のリリースにも期待できるだろう。
Lil Baby – We Should ft. Young Thug
Wheezy – プロデューサーとしての考え
大物アーティストや、プロデューサー達と共にヒット曲を生み出してきたWheezyが、
Beat制作への向き合い方や、若手プロデューサー達へのアドバイスを語っていたので、紹介する。
まずWheezyがBeat制作をする際に大事にしている事は、スタジオの雰囲気作りだと語る。
彼はバイブスを大切にしている為、スタジオ入りする時、最初に照明の色から変える。
そこから、質の高いWeedと好きな映画をミュートで流しながら、Beatを作るという。
これは、彼がBon Iver(グラミー賞 8回ノミネートの経験を持つフォークハンド)と一緒にスタジオに入った時、
壁全てに貼られたスクリーンにミュートで映画を写していたのに影響されて、このスタイルを取り入れたそうだ。
次に、彼はアナログの機材を使う事を勧めている。
今までMIDIキーボードで制作していたWheezyだったが、アナログのキーボードを使うことによって、純粋な音が出せるそうだ。
彼のお勧めの機材は、古いVSTのNexus、キーボードはYAMAHA MODX6、Roland社のJUNO、
シンセはTEENAGE ENGINEERINGのOP – 1をお勧めしていた。
実際、メガヒット曲であるYoung Thugの「Hot」は、Nexusを使って生み出したBeatだという。
Young Thug – Hot ft. Gunna & Travis Scott
Wheezy – 代表プロデュース曲
最後に、紹介しきれなかったWheezyのプロデュース曲を、代表曲やお勧めの楽曲を中心に紹介する。
この記事を読んで、Wheezyに興味を持った方は、是非彼のSNSやYoutubeも覗いてみて欲しい。
Young Thug & Gunna – Ski
Gunna – MET GALA
Future , Juice WRLD – Fine China
Future – Solitaires ft. Travis Scott
Young Thug – Hop Off a Jet ft. Travis Scott
BAD HOP – Foreign Ft. YZEER & Toji Jojo
Quality Control , Lil Baby & DaBaby – Baby
Young Thug – Chanel ft. Gunna & Lil Baby
Rich Homie Quan – Milk Marie
21 Savage – Can’t Leave Without it
Lil Baby , Gunna , Drake – Never Recover
Young Thug – Bad Bad Bad ft, Lil Baby
・Wheezy Instagram
https://www.instagram.com/wheezy/
・参考インタビュー記事
complex
https://www.google.co.jp/amp/s/amp.www.complex.com/music/2015/04/barter-6-wheezy-producer-interview
https://www.google.co.jp/amp/s/amp.www.complex.com/music/2020/12/wheezy-biggest-hits-2020-stories/
the fader