Mike Will Made It(プロデューサー Pick Up)

               

今回の記事について

この記事では、Kendrick Lamarの「Humble」や、Miley Cyrusの「23」などをプロデュースした経歴を持つ、

プロデューサー界のレジェンドの1人、Mike Will Made Itについて、生い立ちから制作秘話まで紹介していきます。

彼の代表プロデュース曲も紹介しているので、是非最後までお楽しみ下さい!

         

Mike Will Made It – 生い立ち

Mike Will Made It(本名:Michael Len Williams )は、ジョージア州アトランタ出身、現在32歳の音楽プロデューサー/DJだ。

最初に、彼がどのようにしてプロデューサーの道を選んだのか、生い立ちから紹介していく。

      

3人兄妹の末っ子として生まれたMike Willは、元DJの父親と、ゴスペルグループに所属していた母親の音楽一家の元で育った。

彼の姉はドラムメジャー(指揮者)として、オリンピックに出演するほどの腕前だったという。

Mike Willは運動神経がとても良く、バスケや野球などのスポーツをしながら、プロのアスリートを目指していたそうだ。

また、Hiphop好きな姉の影響で、

2 PacNotorious B.I.Gを始め、Three 6 MafiaCash Moneyなどを聴いて、当時からHiphopに夢中だったと語っている。

   

そんな彼が音楽に目覚めたのは、14歳のクリスマスにKorg ES1 Beat Machine を買ってもらった時の事だった。

この出来事でBeat制作に興味を持ったMike Willは、比較的裕福な家庭だった事もあり、

Korg TritonYamaha MotifRoland Fantomなどの機材を使いながら本格的に音楽プロデューサーを目指すようになっていった。

   

しかし、全くコネクションがなかった彼は、 16歳から地元アトランタのスタジオに通い、

自分のBeatを有名アーティスト達に売り込んでいたという。

最初は無視されていた彼だったが、やがてBeatがGucci Maneの手に渡り、

それを気に入ったGucci Maneが地元のPatchwerk studiosに招待した事で、一緒に制作することになった。

この時、Gucci Maneへの提供が、メジャーアーティストに提供する初めてのBeatだったとインタビューで語っている。

      

Gucci Mane – East Atlanta 6

    

また、彼のプロデューサー名、Mike Will Made Itという名前は、同年リリースされた楽曲「Star Status」のGucci Maneの、

「Mike Will made it , Gucci Mane slay it」

というリリックから命名したという。

      

Gucci Mane – Star Status ft. Shawty Lo

      

Mike Will Made It – メジャーデビュー

Gucci Maneとのコネクションを深めることに成功し、

Future2 Chainzなどのメジャーアーティストに楽曲を提供するまでに成長していたMike Willだったが、

両親の願いもあって、ジョージア州立大学へ進学する事になる。

    

その在学中にプロデュースしたのが、Meek MillRick Rossの初コラボレーション曲「Tupac Back」だ。

    

Tupac Back – Meek Mill ft. Rick Ross

      

「Tupac Back」は、BillBroad Hot R&B / Hiphop チャートで31位を記録し、彼にとって初のランクインとなった。

この出来事により、音楽活動に専念する為、大学を中退し、本格的に音楽プロデューサーとして活動をするようになる。

因みに、大学中退時点の成績はGPA 3.1で、大学の中でもとても優秀な生徒だったそうだ。

      

その後もMike Willのヒットは止まる事はなく、

2012年にはJuicy JLil Wayne2 Chainzが参加したシングル「Bandz A Make Her Dance」のBeatを担当し、

この曲は『Complex』誌の「25 Best Songs of Summer 2012」の1曲に選ばれ、

Youtubeでは8000万回越えの再生回数を記録し、大ヒットとなった。

        

Juicy J – Bandz A Make Her Dance ft. Lil Wayne , 2 Chainz

      

さらに、2013年にはMiley Cyrus , Juicy J , Wiz Khalifaを客演に迎えた自身のシングル「23」も、

US BillBorad Hot 100にて11位にランクインし、メガヒットを記録した。

この曲は、Youtubeでは約9.1億回も再生されているから驚きだ。

     

Mike Will Made It – 23 ft. Miley Cyrus , Wiz Khalifa , Juicy J

      

Mike Will Made It – 制作秘話

これまで数多くの世界的ヒット曲を生み出しているMike willだが、その中でも代表的なプロデュース曲について、

制作秘話を語っていたので、いくつか抜粋して紹介していく。

       

まず1つ目に紹介するのは、Kendrick Lamar「HUMBLE.」の制作についてだ。

「My Satin Joint」のプロデュースでコネクションを持っていたSchoolBoy Qの紹介でKendrickとの知り合い、

数多くのBeatを送っていたMike Willだったが、当時まだ二人のスタイルが噛み合わず、制作までには至らなかったという。

     

そんな二人が初めて共同制作した曲が、「HUMBLE.」だった。

この曲のBeatは、元々服役中だったGucci Maneの出所時に渡す為に制作していたBeatで、かなりの自信作だったそうだ。

しかし、結局Gucciとは制作する事はなく、それをKendrickに聴かせたところ、彼が気に入りプロデュースが決まったという。

     

また、曲が完成した際、KendrickはMike Willのアルバム『Ransom 2』に収録してもらうように頼んだのだが、

「この曲は絶対に残しておいた方が良いし、シングルとしてリリースするべきだよ。」

とMike Willが止めた為、Kendrick自身のアルバム『Damn』のリードシングルとして、リリースされる事になったそうだ。

      

Kendrick Lamar – HUMBLE.

      

この曲は、BillBoard Hot 100にて1位にランクインし、第60回グラミー賞では、年間最優秀レコード賞、最優秀ラップ・パフォーマンス賞、

最優秀ラップソング賞、最優秀MV賞の4部門にノミネートし、後者の3部門を受賞するほどのメガヒット曲となった。

        

次に紹介するのは、Rae SremmurdSwae Lee , Slim Jxmmiによる兄弟グループ)とGucci Maneの「Black Beatles」の制作についてだ。

      

Rae Sremmurd – Black Beatles

      

Mike WillとRae Sremmurdの関係は、2014年、

Mike Willのプロダクション会社「Ear Drummer Records」がRae Sremmurdと契約したところから始まる。

         

彼らはMike Willとの契約直後から、「Throw Sum Mo」や、「No Flex Zone」などのヒット曲を立て続けにリリースし、

デビュー直後から注目されるアーティストとなっていた。

      

Rae Sremmurd ft. Nicki Minaj , Young Thug – Throw Sum Mo

        

Rae Sremmurd – No Flex Zone

        

そんな彼らが、Mike Willと一緒にDJ Dramaのラジオ局に出演した際に、それを聞いた収監中のGucci Maneが、Mike Willに

「Yo, お前がラジオに一緒に出てた二人組の名前を教えてくれ。彼らはまじでイカしてるから、一緒に曲を作ろう。」

と電話してきた事で、このコラボレーションが決まったそうだ。

    

そこで、スタジオで制作している時、たまたま聴かせたBeatをSwae Leeが気に入ったことから、「Black Beatles」の制作が本格的に始まった。

しかし、Mike WillがこのBeatを制作していた時は、ここまでヒットするとは思っていなかったという。

さらに、メンバーの1人のSlim Jxmmiは、当時アルバムをリリースしたばかりで、この制作乗り気ではなかったのだが、Mike Willが

「Gucciがこの曲の制作に飛びついたんだから、すぐに君のヴァースを入れて欲しい。」

「なんでもいいから、レコーディングしたものを送ってくれ。」

と説得して、彼が自分のバースを送ったことで、この曲が完成した。

この時、Mike Willは全員のヴァースを聴いてヒットを確信したそうだ。

    

また、曲のタイトル「Black Beatles」については、

Swae LeeがSlim Jxmmiとのフリースタイル中に、「Black Beatles」と言った事から曲のタイトルになったという。

実際、曲のタイトル通りSlim Jxmmiのヴァースは、

The Beatles「Day Tripper」にインスパイアされたものだと本人が語っている。

  

The Beatles – Day Tripper

       

「Black Beatles」は、BillBoard Hot 100にて3週連続1位を獲得し、当時、Mike Willにとって1番のヒット曲となった。

さらに、フロリダの高校がこの曲でマネキンのように固まるチャレンジ「Mannequin Challenge」を投稿した事によって、

世界中でこのチャレンジが大流行し、ヒットを後押しする事になった。

Mike Willは、この一連の出来事について、

「自分をピックアップしてくれたGucci Maneと、俺がピックアップしたRae Sremmurdで初のランク1位をとったのはとても嬉しい事だよ。」

と語っている。

    

Mannequin Challenge

       

Mike Will Made It – プロデューサーとしての考え

数々のヒット曲を生み出し続けているMike Willだが、プロデューサーとしての考えについて語っていたので、一部紹介する。

   

彼は、ヒット曲を生み出し続ける秘訣として、

「とにかく一生懸命になって制作する事だ。」

「有名になった今でも、休む暇なくスタジオで制作しているし、車の中でも、飛行機の中でも、ホテルでもラップトップでBeatを作ってる。

そのくらいのバイブスが必要だ。」と語っている。

    

また、業界内で生き残る方法について、

「最初にプロデュースした曲がランクインした時、Juicy Jから、『破産せずに生き残るには、ある曲がヒットした時、

その曲のヒットがピークに達しているときには、他の曲が新たにヒットしているようにしろ。』と言われたんだ。」

「つまり、1つの曲の人気が下がっている時は、もう1つの曲の人気が上がっている必要があるんだ。」

と精力的に活動する事の重要性を教えてくれている。

        

Mike Will Made It – 代表プロデュース曲

最後に、ここまでで紹介しきれなかった彼の代表的なプロデュース曲をまとめて紹介する。

この記事を読んで、Mike Will Made Itに興味を持った方は、是非彼のSNSや他の記事も読んでみて欲しい。

       

Kendrick Lamar – DNA.

       

Beyonce – Formation

       

French Montana – Unforgettable ft. Swae Lee

      

Lil Wayne – Love Me ft. Drake , Future

      

Eminem – Fall

      

Yo Gotti – Rake It Up ft. Nicki Minaj

     

2 Chainz – No Lie Ft. Drake

     

Lil Peep & XXX TENTACION – Falling Down

      

Ace Hood – Bugatti

      

Miley Cyrus – We Can’t Stop

      

Rae Sremmurd , Swae Lee , Slim Jxmmi – Powerglide ft. Juicy J

       

Nicki Minaj – Good Form ft. Lil Wayne

      

        


      

      

参考インタビュー記事

・STORY OF SONG

      

・THE FADER

      

・npr

          

Mike Will Made It Instagram

https://www.instagram.com/mikewillmadeit/

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