今回の記事について
この記事では、Young ThugやDrake、Kodak Blackなど、数々の著名アーティストにBeatを提供しているプロデューサー界のレジェンドの一人、
London on da Trackについて、プロデュース曲や生い立ち、制作秘話などを中心に紹介していきます。
London on da Track – 生い立ち
London on da Track(本名:London Tyler Holmes)は、1991年3月27日生まれ、アメリカメンフィス州出身、
現在30歳のプロデューサー / ラッパー / ソングライターだ。
彼の音楽活動は、11歳まで祖父母と共に過ごしたメンフィス時代から始まった。
当時、祖父が修道士だった為、8〜9人の兄弟や従姉妹と共に教会で育てられたLondonは、
周りの兄弟達がオルガンやドラムを叩いていたのがきっかけで、独学でピアノを弾き始めた。
その活動の中で、一度も誰かにピアノを教えてもらったことはなかったという。
そんな彼がHIPHOPのキャリアをスタートさせたのは、引っ越した先のアトランタで、高校の友達とラップを始めた時だった。
最初はラッパーとして活動していたLondonだったが、Beatを買うお金もなかった為、自分で制作をするようになっていったという。
その時の憧れのプロデューサーは、Drumma Boyで、FL Studioを使って制作していた。
今ではYoung Thugの右腕として知られているLondon on da Trackだが、この当時から関わりを持っていたとインタビューで語っている。
London on da Track – メジャーデビュー
高校時代からBeat制作を始めたLondon on da Trackの最初の実績は、
2010年、Rich Kidzのプロデュースを担当した時だった。
当時、地元の仲間を中心に無償でBeat提供をしていたLondonは、
同じ地元のクルーとして活動していた Rich Kidz とコネクションを持つようになる。
その関わりのなかで生まれたの曲が、「Pieon」だ。
Rich Kids – Pieon
この当時はまだHiphop全盛期では無かったのだが、Youtubeで100万回以上再生されており、
ラジオで取り上げられるほどのヒットとなった。
まだBeatを作り始めてまもないLondonだったが、この曲を聴くと幼少期から培った彼の音楽センスが発揮されているのが分かる。
このヒットで地元アトランタでの知名度を獲得したLondonは、2011年、「Curtains」でYoung Thugとのコラボを実現させ、
2012年〜2013年にかけて、Waka Flocka FlameやGucci Mane、
Rich Homie QuanなどのアーティストにBeatを提供するまでになっていた。
この活動により、2013年にはDrakeやNicki Minajなどが所属している大手ヒップホップレーベル『Cash Money Record』に所属し、
プロデューサーとして本格的に活動するようになっていく。
Young Thug – Curtains
そして2014年、Loondon on da Trackの名前を有名にした最初のメガヒット、Tygaの「Hookah」をプロデュースする。
Tyga – Hookah ft, Young Thug
この曲は、Billboard Hot 100で85位にランクインし、Youtubeでは約4,7億回も再生されており、
RIAAからプラチナディスク認定されるほどの人気となった。
また、同年Young Thugのプロデュース曲「Lifestyle」とT.I.へのプロデュース曲「About the Money」も、
Billboard Hot 100でそれぞれ16位と42位にランクインし、
一時期Londonのプロデュースした曲が同時に3曲ランクインしている事態となった。
Rich Gang ft. young Thug , Rich Homie Quan – Lifestyle
T.I. – About The Money ft. Young Thug
この3曲のメガヒットにより、業界内だけでなくリスナーの間でもLondon on da Trackの名前は認知されるようになり、
この出来事が彼のメジャーデビューのきっかけとなった。
London on da Track – プロデューサータグ
London on da Trackの名前を有名にした最大の要因として、彼のプロデューサータグが挙げられる。
彼の、「We London On Da Track」は、数々のヒット曲の前のいわば着火剤として使われており、聴いたことのある人も多いだろう。
London on da Track – プロデューサータグ
このプロデューサータグの声は同じクルーとして活動しているYoung Thugが担当しているのだが、
最近ではKodack Blackが声を担当している、「I’m in London got my beat from London」のバージョンも使用している。
London on da Track – プロデューサータグ Ver.2
リスナーがプロデューサーを知る一番の方法であるプロデューサータグを、
大物アーティストを起用し、リリックの一部のようにして完成させ、認知される事に成功したLondonの手法から、
プロデューサータグの重要性を改めて学ぶ事ができる。
London on da Track – 制作秘話
London on da Trackの制作秘話として、Young Thugの「Lifestyle」の制作についてインタビューで語っている。
Youtubeでは5億回以上再生されており、彼のプロデュース曲の中でもTOP5に入るこの曲の制作は、
なんとスタジオではなくキッチンで制作されたという。
Beatだけキッチンで制作したという訳ではなく、ボーカルの録音から音源のミックスまで、文字通り全ての作業をキッチンで制作したのだ。
また、T.Iとの「About The Money」の制作についても語っていて、
Young ThugとLondonの噂を聞いたT.Iが、「俺のスタジオに来て、一緒に何か作ろうよ。」と連絡してきた。
そこで、LondonはT.IのためにいくつかBeatを作ってスタジオへ行き、一つ目のBeatを聴かせた瞬間にプロデュースが決まったという。
この時の出来事について、「他のBeatも今から弾くからちょっと待ってくれ。」とLondonが言うと、
「いや、このbeatで作ろう」とT.Iは譲らなかったと語っている。
完成した音源を聴いて、ヒットする事を確信した彼らは、レコーディングのわずか3日後にMVをとり、その5日後にリリースしたのだ。
この曲はYoutubeで約3億回再生されており、プラチナディスク認定もされているので、T.Iの音楽センスは一流だという事がこの話からわかる。
London on da Track – プロデュース代表曲
ここまで、London on da Trackについて様々な視点から紹介してきたが、
最後に、彼が生み出したヒット曲の中でもお勧めのプロデュース曲を抜粋して紹介する。
French Montana – No Stylist
Kodak Black – Roll In Peace ft.XXXTentacion
Drake – Sneakin’ ft. 21 Savage
A Boogie Wit Da Hoodie – Swervin ft. 6ix9ine
Sweetie – My Type
Roddy Ricch – Die Young
Young Thug – Digits
Summer Walker – Playing Games
London On Da Track , G-Eazy – Throw Fits ft. City Girls , Jukenile
NAV – TAP ft. Meek Mill
・参考英文インタビュー記事
https://www.xxlmag.com/london-on-da-track-rich-gang-interview/
・London On Da Track Instagram
https://www.instagram.com/londonondatrack/