今回の記事について
この記事では、DrakeやFuture、Travis scottなど数々の大物アーティストに楽曲を提供しているプロデューサー界のレジェンドSonny Digitalについて、
プロデュース曲や生い立ちなどを中心に紹介していきます。
Sonny Digital – 生い立ち
1991年3月5日、アメリカのミシガン州サギノーで生まれたSonny Digital(本名:Sonny Corey Uwaezuoke)は、
アトランタを中心に活動している現在30歳のプロデューサー/ラッパー/DJだ。
彼が最初に音楽と触れ合ったのは、引っ越した先のアトランタの学校で、ラップを始めた時だった。
しかし当時小学生だった彼は、ラップをする為のBeatを見つけるのに苦労していたという。
なかなかBeatが手に入らず、思うように活動ができなかったSonnyは、13歳の時、年上のいとこの影響で自らBeatを作り始める。
そしてBeat制作にのめり込んだ彼は、学校以外のすべての自由な時間を制作に費やした。
その当時の憧れのプロデューサーは、Shawty Redd(prod. Gucci Mane , Snoop Dogg)や、
Drumma Boy(prod. Lil Jon , Waka Flocka Flame)で、彼らのサウンドを真似ながらBeat制作を学んでいた。
Sonny Digital – メジャーデビュー
幼少期から音楽に触れていた事もあり、着実にプロデューサーとしてのスキルを磨いていたSonnyは、
16歳の時には、既にヒップホップグループに所属し、他の地元アーティスト達にもBeatを提供するまでに成長していた。
そんな彼のメジャーデビューのきっかけとなった出来事は、2011年、当時20歳の時だ。
「What’s Going’ On」のプロデュースで、Gorilla Zoeと関わりを持っていたSonny Digitalは、Zoeからの紹介でYCと知り合った。
その出会いをチャンスだと感じ、YCに約300個ものBeatを送っていたなかで生まれたのが「Racks」である。
YC – Racks ft. Future
この曲はBillboard hot 100の42位にランクインし、RIAAからゴールドディスク認定を受けるほど全米でヒットした。
また、Sonnyはフューチャリングで参加しているFutureについても語っていて、
「最初は誰もお互いのことを知らなかったんだ。
YCだけで既に曲は完成していたんだけど、彼がストリートでFutureと出会った事によって、このフューチャリングが実現したんだ。」
「僕たちは皆、それぞれのやり方で成功を掴む事ができたんだ。」と語っている。
Sonny Digital – 制作秘話
Sonny Digitalの代表曲の一つとして、2014年にリリースされた「ILOVEMAKONNEN ft. Drake – Tuesday」が挙げられる。
Sonnyはこの曲の制作秘話について、インタビューで語っていたので、一部抜粋して紹介する。
ILOVEMAKONNEN ft, Drake – Tuesday
ILOVEMAKONNENとよく一緒に制作していたSonny Digitalは、Tuesdayの原曲「Club Goin’ Up On a Tuesday 」を制作し始めた時、
ヒットするどころか、シングルでリリースされるとも思っていなかったという。
そのため、Drakeから「この曲に参加したい。」と言われたときは、とても驚いて、興奮したと語っている。
Drakeの参加により、曲名を「Tuesday」に変えて改めてリリースしたところ、
US Billboard Hot 100で、2位を獲得し、Youtubeでは1,8億回再生されるほどのメガヒットとなった。
これは、Sonny Digitalにとって当時最大のヒット曲となった。
ラップのスキルだけでなく、若手アーティストを発掘するビジネスセンスでも有名なDrakeだが、
彼が参加しなければ「Tuesday」が隠れた名曲になっていたかも知れないと考えると、彼のセンスは一流だという事がわかる。
Sonny Digital – プロデューサータグ
Sonny Digitalの名前を世間に広めた要素の一つとして、彼の特徴的なプロデューサータグが挙げられる。
彼が生み出した数々のヒット曲の前に必ず入っている「Sonny Digital」はヒップホップ好きなら一度は聞いた事があるだろう。
Sonny Digital – プロデューサータグ
このプロデューサータグは、2010年頃に20ドルで知人から作ってもらったもので、
最初「So-nny , So-nny Digital」と送られてきたものを、Sonnyが今のタグに変更してもらって完成した。
この知人とは今でも仲良くしていて、808 Mafiaのタグもこの知人が作ったものだと語っている。
808 Mafia プロデュースタグ
https://www.youtube.com/watch?v=cNbscEdewDc
Sonny Digital – Hiphop業界の闇
Sonny Digitalのいくつかのインタビューを読み進めていたとき、一番多く語っていたのが、
Hiphop業界におけるプロデューサーの待遇の悪さについてだった。
その中でも、特に印象的な出来事だったのが、2012年、2 ChainzとKanye Westの「Birthday Song」をプロデュースしたときの話だ。
2 Chainz – Birthday Song ft. Kanye West
この曲を聴いてみると、Sonny Digitalのプロデューサータグがどこにも入ってない事がわかる。
この時の事についてSonnyは、
「本当は曲の最初にプロデューサータグが入っていたんだけど、曲の始まり方が悪いという理由で消されてしまったんだ。」
「この時はまだ今みたいに知名度もなかったから、プロデューサータグが唯一僕を特定できるものだったのに、みんながそれを奪おうとしているように感じたよ。」と語っている。
また、プロデューサーの待遇について、
「僕達のようなプロデューサーが最初にBeatを作り、それをアーティスト達に提供しているんだから、アーティストと同じくらいか、それ以上の敬意を払うべきだと思う。」と現在の待遇に不満を示していた。
日本でも、プロデューサーの待遇について問題になるケースが露出し始めているが、
Sonny Digitalが言うように、Beatがなければ曲は生まれないので、プロデューサーの価値を改めて見直す必要があるだろう。
Sonny Digital – プロデュース代表曲
最後に、Sonny Digitalがプロデュースした代表的な曲をまとめて紹介する。
50 Cent ft. Chris Brown – I’m The Man
Travis Scott – STARGAZING
Future – Same Damn Time
Rae Sremmurd – Up Like Trump
Don Toliver – After Party
Machine Gun Kelly – Trap Paris ft. Quavo , Ty Dolla $ign
21 Savage – Red Opps
Future – Blow a Bag
・参考インタビュー記事
https://djbooth.net/features/2019-04-15-sonny-digital-interview-beat-break
https://www.thefader.com/2014/12/12/beat-construction-sonny-digital
・Sonny Digital Instagram
https://www.instagram.com/sonnydigital/