今回の記事について
この記事では、Gucci ManeやFuture、Lil Uzi Vertなど数多くの著名アーティストに楽曲を提供しているTM-88について、
英記事を元に生い立ちやプロデュース曲を中心に紹介していきます。
TM-88(808 Mafia)
1987年4月4日、フロリダ州マイアミで生まれたTM-88(本名:Bryan Lamar Simmons)は、現在34歳の音楽プロデューサーだ。
彼は数多くの著名アーティストにBeatを提供し、グラミー賞にもノミネートされた実績を持っている。
更にHiphop業界に一大ムーブメントを巻き起こした「Trap music」を定義して、作り上げたメインプロデューサーの一人としても有名である。
12歳からBeatを40ドルで販売していたという彼の最初の実績は、2009年、当時22歳の時に遡る。
Brick Squadのメンバーで、今は亡きSlim DunkinにBeatを提供することになったTM-88は、そこで
Machine Gun KellyやGucci ManeにBeatを提供した実績を持っているSouthside(本名:Joshua Luellen)と繋がりを持ち、
一緒に仕事をするようになっていった。
「D-BO Montana – Slim Dunkin Prod. by TM88」
そこから2010年、Southsideの誘いを受け「808 Mafia」を設立することになる。
808 Mafiaの設立メンバーには、Kanye WestやJay-ZにBeatを提供していた音楽プロデューサーLex Lugarも含まれている。
808 Mafiaのプロデューサータグ「808 Mafiaaa…」はHiphop好きなら一度は聞いた事があるだろう。
「808 Mafia プロデューサータグ」
また、2012年にはWaka Flocka Flameのセカンドアルバム『Triple F Life』に収録されている「Lurkin」で、メジャーアーティストへの
ソロプロデュースデビューを果たす。
「Waka Flocka Flame – Lurkin」
そこから軌道に乗ったTM-88は2013年、Futureとの出会いで制作に対する意識が変わることになる。
サザンラップグループD4Lのメンバーで、今は亡きShawty Loにbeatを提供したのがきっかけでFutureから連絡を受けた彼は、
Futureがスタジオに籠って一晩で何曲もレコーディングする姿を見て、
HIPHOP業界に対するアプローチの仕方が変わったとインタビューで語っている。
「近年、これまでにないスピードで音楽が生まれている中で、生き残る為にはできるだけ多くのBeatを作り続けなければいけない。」
そう語るTM-88は、2020年Futureとの楽曲「Pray for a Key」のリリースまでに、実際に20個以上のBeatを送ったという逸話も残っている。
「Future – Pray For A Key」
そして2017年、Lil Uzi Vertの代表曲「XO Tour Llif3」のプロデュースを担当する。
元々リリースされる予定ではなかったこの曲は、Lil Uzi Vertが無断でSoundcloudに載せたのがきっかけで、
瞬く間に数百万回も再生され、一ヶ月足らずでSpotifyやApple Musicなど全ての音楽配信プラットフォームで拡散されていった。
その影響で「US Billboard top 100」では7位にランクインし、Youtubeでの再生回数は現在4,4億回、
Spotifyでは10億回以上のストリームを記録していて、プラチナレコード7枚分の認定を受けるまでの大ヒットとなった。
「Lil Uzi Vert – XO Tour Llif 3」
この楽曲には実は裏話があり、TM-88はLil Uzi Vertの所属レーベル「Atlantic」に対し、2018年に不当契約について告発しているのである。
元々、イレギュラーの形でリリースされたこの曲だが、Atlantic側は同曲から相当な利益を得ているはずなのに、
TM-88側には一銭も入ってこなかったという。
この事について、TM-88はTwitter上で、「Atlantic Record ありがとう、歴史上最も最悪なレーベルとして存在していてくれ。」
と皮肉めいたツイートをしている。
Atlantic Recordsについて、Metro Boominも「Atlanticとは関わるな」と警告している為、レコード会社の不当契約問題はHiphop業界の
影として根付いているのだろう。
ここまでに紹介した内容の他にも数多くの功績を残しているTM-88は、自分の考えについて、
「人の基準ではなく、常に自分の基準で勝ち続ける事だ。バスケット選手のコービーやジョーダンのようなスポーツマンのメンタルを持って、
この人は伝説的なプロデューサーだ、と言われるように努力してきた。」
その為に、彼はヒットした現在でも毎日スタジオに籠り、午後4時から午前5〜6時まで作業していると語っている。
TM-88も他の著名プロデューサーと共通して制作に対するストイックさについて語っている為、
売れる為に一番大事なことは、Beatを出来るだけ多く制作しそのモチベーションを維持する事なのかもしれない。
是非この記事を読んでTM-88について興味を持ったら、記事の最後に紹介している英文インタビュー記事や、彼のSNSを覗いてみてほしい。
『TM-88 プロデュース曲(808 Mafia)』
「Travis Scott – NO BYSTANDERS 」
「Rich Gang – Tapout」
「Future – Codeine Crazy」
「21 Savage – Ball w/o You」
「YG – Handgun ft, A$AP Rocky」
「Young Thug – Wyclef Jean」
「Lil Uzi Vert – Mood」
・参考インタビュー英文記事
https://flaunt.com/content/tm88
https://famouspeopletoday.com/tm88/
・TM-88 Instagram
https://www.instagram.com/tm88/