今回の記事について
この記事では、Denzel CurryやLil pump、XXX TENTACIONなどの著名アーティストをプロデュースしているRonny Jについて、
英文インタビューを元に紹介していきます。記事の最後にプロデュース曲もまとめているので、是非最後までご覧下さい!
Ronny J (プロデューサー Pick up)
1992年9月14日、ニュージャージー州カムデンで生まれたRonny J(本名:Ronald Oneil Spence, Jr.)は、現在28歳のプロデューサーだ。
彼の重くて破壊的なサウンドは、若い世代を中心に拡散され「Trap music」シーンの流行に大きく貢献した。
幼少期からドラムを叩いていた経験を持つRonny Jだが、当時は音楽よりも美術や建築に興味を持っていたという。
そんな彼がBeat制作に興味を持ったのは2011年。
大学の為に移住したマイアミで、Kanye WestやMadonnaなどに楽曲提供した経歴を持つCharlie Heatから、
DTMソフト「Reason」を譲り受け、制作を開始する。
Beat制作を始めて、すぐに自分に才能がある事を知ったRonny Jは、MacbookとLogicを購入し、本格的に制作をするようになっていった。
Ronny Jのプロデューサー人生にとって最初の実績は2013年、
友人からの紹介で当時まだ無名だったDenzel Curryと知り合ったところからはじまる。
そこで彼らにとって最初の楽曲「IndigoB」が制作された。
「Denzel Curry – IndigoB」
当時から既にRonny J独自のスタイルが垣間見えるこの楽曲だが、Denzel Curryも彼のスタイルを気に入り繋がりを強めていった。
また、同年にリリースした彼らの二曲目の楽曲「Threatz」は、Youtubeで1500万回以上再生されるヒットとなった。
「Denzel Curry – Threatz」
ここまで順調に成功しているように見えるRonny Jだが、彼の存在はまだ世間に知られることはなく、
収入も少なかった為、「Denzel Curryの家の床にシーツ1枚敷いて寝ていた。」とインタビューで語っている。
そして2015年、Denzel Curryの最初のメガヒット曲「ULTIMATE」のプロデュースを担当する。
「Denzel Curry – Ultimate」
この曲は世界中のリスナーに衝撃を与え、Youtubeでは非公式のリリックビデオが6400万回再生されるほどの人気となった。
更に当時流行していた動画投稿アプリ「Vine」では、「Ultimate」がインターネットミームとして拡散され、
世界的に有名なDJ CarnageがTwitterにて「ULTIMATE」とツイートする程のブームとなった。
また、同曲がアディダスのCMに起用された際、Ronny Jは「この時、初めて小切手をもらった。」と語っている。
この出来事によって一躍有名となったRonny Jだが、彼の人気の秘密は彼のプロデューサータグにも秘められている。
彼のプロデューサータグ「Oh My God Ronny」は、Hiphop好きなら聴いたことがあるだろう。
「Ronny J プロデューサータグ」
彼のパワフルで破壊的なBeatの着火剤となっているこのタグは、ハウスパーティーをしている時、
友人が「Oh My God Ronny!」とマイクで盛り上げたところ、目の前にいた女の子が繰り返して言ったのを聞いてアイデアが浮かんだという。
また、XXXTENTACION(以下X)の「A Ghetto Christmas Carol」や「I’m Sipping Tea In your hood」など、
数多くのヒット曲をプロデュースし、彼の右腕としても有名なRonny Jは、彼との出会いについても面白い逸話を語っている。
当時、Denzel Curryや他何人かと共に『ULTハウス』と呼ばれる家に住んでいたRonny Jは、ある晩、ULTハウスでパーティーを開いた。
そこに、当時まだ有名ではなかったXとSki Mask The Slump Godが二人で遊びにきたという。
今考えると奇跡的な出会いだが、初対面でまだ彼らを知らなかったRonny J達は彼らを追い返してしまったのである。
しかし、それでも諦めなかったXは、2週間後にまた訪れ、Denzel と話したのがきっかけでRonny Jとも仲を深め、
さらに2週間後にはXもULTハウスに引っ越して一緒に暮らしながら制作していたと語っている。
その共同生活の中で、Ronny Jが流していたBeatをたまたま聴いていたXが気に入り、制作された楽曲が、
「I’m Sipping Tea In your hood」である。
「XXXTENTACION – I’m Sipping Tea In your hood (prod,Ronny J) 」
この曲は、Youtubeでは約5400万回も再生されており、まさにXとRonny Jのスタイルが完璧に融合された作品となった。
さらにRonny Jがプロデュースした、Lil Pumpの「Flex Like Ouu」やSmokepurppの「Audi」も、このULTハウスで制作された。
「Lil Pump – Flex Like Ouu」
「Smokepurpp – Audi」
因みに、今まで制作したBeatの中で1番のお気に入りはこのSmokepurppの「Audi」だと話している。
しかし、同曲のドラムキットのファイルを無くしてしまい、この音はもう再現不可能らしいので残念だ。
ここまで、Ronny Jが生み出した数々の名曲と功績を紹介してきたが、最後に彼の制作に対する考えや意識について紹介する。
彼は自分の独自のサウンドについて、
「私はいつも限界に挑戦していたんだ。誰かに影響を受けたこともないし、
自分のサウンドを作るために必要最低限のチュートリアルだけ学んで、
後は自分が好きなメロディやアートでドープだと思うことを追求し続けたんだ。」
と語っている。
また、プロデューサー達へのアドバイスとして、
「Type Beatばかりを作っていてはダメだ。自分のサウンドを確立するのはとても時間がかかるから、
できるならそれを見つけるために努力した方がいい。」
「何事も、基本的には時間とエネルギーを費やして努力すれば、
文字通りなりたいものになれるから、自分がしたい事に向かって頑張ってほしい。」
と語っていた。
様々な若手アーティストや大物アーティストをプロデュースし、苦しい時期を乗り越えながらヒット曲を生み出し続けているRonny Jは、
プロデューサーが成功するために一番大事なことを教えてくれたのかもしれない。
今後、新たなサウンドを追求し続けるRonny Jに興味を持った方は、SNSやYoutubeなどで調べてみてほしい。
また、記事の最後に紹介しきれなかったプロデュース曲もまとめてあるので、是非聴いてほしい。
・参考英文インタビュー
・https://www.thefader.com/2018/02/21/ronny-j-beat-construction-interview-smokepurrp-denzel-curry
『Ronny J プロデュース曲』
「BHAD BHABIE – Hi Bich」
「Ski Mask The Slump God – HOW YOU FEEL? feat, Danny Towers & Lil Yachty」
「Kanye West & Lil Pump – I Love It feat. Adele Givens」
「Machine Gun Kelly – Rap Devil」
「Ski Mask The Slump God x XXXTENTACION – TAKE A STEP BACK」
「6ix9ine – BEBE feat. Anuel AA 」